
学会誌『国語科学習デザイン』
第8巻第2号 R72.28発行
新代表理事 着任の挨拶を掲載しました。
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学会の概要
国語科の学習材の本質に根ざした授業について、実践的・臨床的な研究を進め、その成果を共有することがこの学会の趣旨です。アカデミックな研究が進展していくなかで、運動体ではない立場での実践的・臨床的な研究はますます重要になると考えられます。そこで、アカデミックと授業実践とを融合する立場で、発表の場としてのジャーナルを持つ学会が必要になると思い国語科学習デザイン学会を立ち上げることにいたしました。
メールやHPを用いたできるだけコンパクトな運営によって、シンプルかつ本質的な相互作用を促す学会としてのシステムを構築して参ります。
本会は、次の理念に基づく国語科学習デザインに関する研究を推進し、研究者および実践者からなる会員相互の連絡をはかることを目的とします。
1 学習材の本質を穿つ分析・研究に根ざす
2 学習者に寄り添う明確な学習目標を持つ
3 オーセンティックな学習活動と評価を重視する
本会は次の事業を行います。
1 大会・研究会の開催
2 会誌『国語科学習デザイン』の刊行
3 その他必要な事業
2017.7. 国語科学習デザイン学会
本会所在地 玉川大学 (東京都町田市玉川学園6-1-1大学研究室棟302)
学会事務局メールアドレス kokugokadesign@gmail.com
(上越教育大学内)
学会役員
代表理事 西田太郎 玉川大学教職大学院
事務局長 佐藤多佳子 上越教育大学教職大学院
会計担当 松本 修 前玉川大学教職大学院
編集担当 井上功太郎 美作大学
上月康弘 松本大学
理事 石丸憲一 創価大学教職大学院
理事 岩崎直哉 富山国際大学
理事 上山伸幸 創価大学
理事 大城里緒 八重瀬町立東風平中学校
理事 大村幸子 お茶の水女子大学附属小学校
理事 小川高広 上越教育大学附属小学校
理事 小林一貴 岐阜大学
理事 坂口京子 静岡大学
理事 鈴木真樹 相模原市立九沢小学校
理事 桃原千英子 沖縄国際大学
理事 西 一夫 信州大学
理事 橋本祐樹 茨城キリスト教大学
理事 山口政之 敬愛大学
会計監査 川口暁士 学校教育研究所
佐藤綾花 渋谷区立富谷小学校
渡辺優菊 府中市立白糸台小学校
代表理事着任のご挨拶
今日の国語教育研究を概観すると、アカデミックな研究が進展していく中、国語科の学習そのもの教材研究そのものについての探究は、かつてほど研究の中心を占めるものではなくなってきています。その一方で、省察を欠いた実践の発表が運動体に近い活動の中で活発になされています。理論と実践の往還が理念として叫ばれる中で、むしろその二つの乖離がおきかねない状況です。
このような状況にあっては、本学会に限らず実践の場からの研究の発展は国語教育研究にかかわる多くの学会が目指すものとなっています。第143回全国大学国語教育学会千葉大会のシンポジウムでは、テーマを「新しい実践学としての国語教育学を探る」として議論が交わされました。登壇した佐藤多佳子先生(上越教育大学)が述べた国語教育研究の在り方には、次の二つのことが強く示されていました。
・実践的な国語教育研究においては、高い新規性より、信頼性(ロジック・方法の丁寧さ、学習者の
事実)と汎用性が重視される
・国語教育研究はサイエンスではなく、ヒューマニティズである
「師の言葉を借りて」として示された佐藤先生の提言は、国語教育研究に身を置く私たちが顧みるべきものだったのではないでしょうか。
2017年、松本修先生とその呼びかけに応えた先生方によって本学会は始動しました。年々会員数が増し、研究大会では立場を越えた議論が展開されています。そこでは誰もが実践者でもあり研究者でもあります。会員が個々の探究にしたがって国語教育研究を進めつつも、互いに繋がりをもてる「真摯で気楽な寄合」は、本学会の特徴なのかもしれません。今後も本学会が充実した実践研究交流の場となるよう、皆様のお力添えをお願いできればと存じます。
2025.4.1 代表理事 西田太郎